
少し前に映画評論家のおすぎさんのトークライブを聞きに行ったときに絶賛されていたので、公開を楽しみにしていました。
去年の英国アカデミー賞では外国語作品賞に輝き、ゴールデングローブ賞でもドラマ部門の主演女優、外国語作品賞にノミネートされていました。
もともと高い期待値をもって劇場に足を運んだのですが、それ以上の深い満足…。
感動で胸がいっぱいになって劇場を後にしました。
2009年の一番最後に鑑賞した映画ですが、年末恒例のMyランキングには見事TOP10入り。
素晴らしい作品でした。
監督は小説家のフィリップ・クローデル。
これが初監督作品とは思えない見事な演出でした。
幼い息子を殺害した罪で15年服役していたジュリエットが、
出所し、人生を再スタートさせるまでの物語。
深い、深いテーマでした。
監督の緻密な演出と、的確な演技でそれに応える俳優たち。
丁寧に作られた秀作です。
印象的なシーンの数々。
ラストの胸が締め付けられるような痛みと、その痛みに優しく沁み入る慈雨。
ジュリエットの最後のセリフとその表情。
こういう感動を味わうとき「映画ファンで良かったなぁ…」と、つくづく思うのです。
ストーリーについては、あまり知らない状態で鑑賞することをお勧めしたいので、これ以上のことは書かないことにします。
私も予告編を見たのが観賞後で、それが良かったと感じています。
(この予告編はちょっと見せ過ぎな気が…)
作品の演出自体が、登場人物たちの抱える事情や背景をゆるやかに明かしながら徐々に深まって行くタイプのもので、観客はその背景を想像しながらゆっくりとそれぞれの人物の心に近づいて行ける流れになっていました。