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「スラヴォイ・ジジェクによる倒錯的映画ガイド」at [シアター]イメージフォーラム
JUGEMテーマ:映画
 
あまりの面白さに圧倒され続けた150分!!
映画の世界の一歩奥に入り込み、物語に潜む驚くべき事象を
独創的な思想家であり現代随一のラカン派精神分析家ジジェクが解き明かすように語りかけます。

“映画は究極の倒錯的表現である。
映画は我々が欲情するものを与えはしない。
何に欲情すべきかを教えるのだ!”
…という強烈なメッセージからこの映画は始まります。

ジジェク本人の語りと、引用する映画のシーンが交互に繰り返され
ジジェクの背景もその映画にちなんだモチーフがちりばめられていて目が離せません。(上のポスターの場面は、もちろんヒッチコックの「鳥」を語るシーンです)
脚本はスラヴォイ・ジジェク本人。
そして監督はソフィー・ファインズ。
レイフ・ファインズの妹でありジョセフ・ファインズの姉。
映画一家に育った人物らしい発想と演出で構成されています。
そして音楽はブライアン・イーノ。

引用される映画の数々、およそ40本。
チャップリンからヒッチコック、コッポラ、リンチといった“いかにも…”な面々から、エイリアン、スターウォーズ、マトリックスからディズニーアニメまで多彩なラインナップです。

特にヒッチコック作品については、それについて語らない本はないと言われるくらい常に引用してきたモチーフだけあって、「めまい」「サイコ」「鳥」などそれぞれの作品に潜む欲望や意識を次々に明らかにしていきます。

「めまい」は心理サスペンスとしても大変面白い映画ですが、次に観るときには全く違った視点で観ることができそう…。少し怖いくらい楽しみです。実在しない女性こそが究極の存在…言われてみれば…という気がします。

「サイコ」はもともと怖いのですが、ノーマン・ベイツの家の三層構造についてのジジェクの解説のお陰で、次に観るときは怖さより分析的視点で観ることができそうです。
一階はエゴ(自我)、二階はスーパーエゴ(超自我)、地下室はイド(リビドー)
実際のシーンのカメラアングルさえ、その視点で観ると「なるほど!」の連続でした。

「鳥」に至っては“なぜ襲うのか?”という究極の問題に触れ、精神分析家らしい視点でその謎に意味を与えます。

チャップリン作品については「独裁者」での音楽の使い方(ワーグナーの「ローエングリン」)についての解釈に目から耳からウロコが落ちまくり。
最後の方で取り上げられる「街の灯」のラストシーンでは“本当の自分”というものに向き合うことへの恐怖…。
感動の一歩向こう側にある深みに足を踏み入れ、映画をとおして自分を観るという行為について考えさせられました。

原題は“Pervert's Guide to Cinema”
Pervert(性倒錯)という言葉に、ちょっと引いてしまう…という方もいらっしゃるかもしれませんが、それほど過激な表現はなかったです。
フロイト関連の本で出てくる程度の…と言うと充分過激な気もしますが(正常と異常の境目は、この場合なかなか難しいです)見るに耐えない、聞くに耐えない…というところは皆無でした。

スラヴォイ・ジジェクについて〈本作のチラシより〉

『1949年、スロベニア生まれ。
オペラ、宗教、映画、イラク戦争といった多岐にわたる題材をラカン派精神分析の視点から語り、世界的に評価されている思想家、精神分析家。
その逆説的で過激な語り口は、しばしば物議を醸している。
日本でも20冊近くの著作が翻訳されている。
独特のユーモアのある語り口だが、一方で難解とされることもあり、映画作品を通して明快に語られる本作は、ジジェクの思想の格好の入門編となっている』

…確かに。
私もこれまで2冊ほどチャレンジしたことがあり、両方とも書かれていることの半分も理解できていないような気がして歯がゆい思いをしていたのですが、実際に語るジジェクの姿を見た今は、この難解な文章に何とか食らいついていけそうな手応えを感じています。
とりあえず「ラカンはこう読め!」(鈴木晶:訳 紀伊国屋書店:発行)を再読しています。
観に行く前は“本のように難解な映画だったらどうしよう…”と、少し不安だったのですが、杞憂でした。
まるで映画の魔法に取り憑かれたように次から次に言葉を紡ぎ出すジジェクの姿に感動すら覚えました。

『映画の見方が変わる、驚異の150分!』と、銘打たれたこの風変わりな映画。
青山通りにあるアート系ミニシアター「イメージフォーラム」で上映中。
ご興味のある方はこのGWにでもぜひ、足を運んでみてください。


| 映画 サ行 | 19:43 | comments(6) | trackbacks(2) |
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コメント
こんばんは。
ハピネス道の記事には刺激を受けます!

ラカンはうちのゼミの大学の先生も引用していたのですが、フロイト説を構造主義の観点から再解釈した人ですよね?

私は構造主義は好きなのですが、ラカンのフロイトへの応用は少し無理があるかな?と思います。
ラカンって鏡に映った視覚的な自分の像によって初めて乳児の自我は統合されると言っていますが、じゃあ部屋に鏡がなかったら赤ちゃんはいつまで経っても本当に自分が解らないか?というとそうでもないような・・・そこは生物オタクにはちょっと・・・
うちの教育学部の教職科目でもピアジェなどは教わりましたが、ラカンは出てきませんでした。

私は進化心理学が結構好きです!
| ゴーダイ | 2010/04/26 11:32 PM |
ゴーダイさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

>ハピネス道の記事には刺激を受けます!

嬉しいお言葉…恐れ入ります。

鏡像認知については私は割と納得しているんです。
学問的、専門的に熟考したわけではないのですが。

体をうまく操れないのはおっしゃるとおり生理的早産にともなう未発達が要因だと思います。
鏡を通して手に入れるのはむしろ“他者の目”だと思います。そしてそれが自我の形成には欠かせないものなのかなぁ…なんていう程度の考えですが。
他者の目を意識したふるまいができるようになるのが、人間の子どもにとっては、ある種の成長(発達)と言えるかな…と。

>私は進化心理学が結構好きです!

おや?シンクロニシティ?
今「だまされ上手が生き残る〜入門、進化心理学〜」という本を読んでいるところです。
第一章を読み終えたところですが、先を読むのが楽しみになりました。
| Yukiko T. | 2010/04/27 9:49 PM |
>鏡を通して手に入れるのはむしろ“他者の目”
人間は社会的な動物なので、「他者の自分に対するイメージ」の重要性はラカンも言及していますよね!
「自分のことが知りたいなら他人を見ろ」というシラーの名言もありますし。

ただ自己同一化の要素のひとつとして鏡があるくらいなら解るのですが・・・それともここでいう「鏡」とは比喩かなにかなのでしょうか?
私も他者の評価が気になる方ですが、それは自分の外見ではなく、自分の論考や作品だったりするので、あまり鏡も見ていませんでした。いくら自分の顔が嫌いでも目の位置などは動かせませんし・・・

>「だまされ上手が生き残る〜入門、進化心理学〜」
タイトルからして面白そうですね!私はジョン・H・カートライトの『進化心理学入門』を読みました。
人間の全ての心理作用は進化の結果であるというテーゼは、人間の生を肯定してくれているような気がして清々しいです。
人もチンパンジーもゴリラも大して変わらないな、とも思いましたが・・・

P.S ぶしつけですが、このサイトはリンクフリーなのでしょうか?ぜひサイトにリンクしたいのですが・・・
| ゴーダイ | 2010/04/27 10:46 PM |
ゴーダイさん、レスポンスをありがとうございました。

以前どこかで“他者と上手くコミュニケーションがとれない子どもは(自閉症など…)鏡に映った自分の目線を嫌がる(あるいは戸惑う)”ということを聞いたことがあります。
健全な自我の発達と鏡像認知は関わりがあるんだな…と思ったのはそんなエピソードにも由来します。

>それともここでいう「鏡」とは比喩かなにかなのでしょうか?

難しいですね…。どちちらとも言えるような気がします。

>ぶしつけですが、このサイトはリンクフリーなのでしょうか?

全然ぶしつけなんかじゃないですよ〜。
正直言うとリンクポリシーは何も考えておりません(笑)バナーも何も用意していませんし…。
このような映画などの感想を淡々と綴っているだけのブログに、関心を示してくださっっただけでも光栄に思います。ゴーダイさんのご判断におまかせしますので、よろしくお願いします。

| Yukiko T. | 2010/04/27 11:36 PM |
ありがとうございます!リンクさせていただきますね。なにか不都合な点があったら遠慮なく仰ってください。

鏡像認知の記事はちょっと文章が雑多なので、要点を整理したいと思います!
自閉症についてですが、特別養護学校の教員をしている友人が二人いて、ちょっとまた刺激を受けちゃったので(汗)調べてみようと思います!
| ゴーダイ | 2010/04/28 12:15 AM |
リンクさせていただきました!
| ゴーダイ | 2010/04/28 12:41 AM |
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