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「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」
JUGEMテーマ:映画
 
ソ連崩壊のきっかけをつくったと言われる20世紀最大規模のスパイ事件をもとに描かれたフランス映画。
主人公は西側へ情報を流すKGBのグレゴリウス大佐。
コードネームは“フェアウェル”。
連絡係となるのがフランス人で電気メーカーに勤める民間人ピエール・フロマン。
ピエールの上司はDST(フランス国家保安局)とつながりがあるのですが、ピエール自身はまったくの民間人であり諜報活動については素人です。
グレゴリウス大佐が大物なだけに、かえって疑われにくいように…という人選だったのでしょうけれど、かなり危ない橋だったと思います。
クライマックスにはハラハラさせられました。

スパイ映画とは言っても、アクションなどはまったくなく、KGBからDSTを経由してCIAに情報が流れていく様子を淡々と描き、ドラマはむしろグレゴリウス大佐とピエールのプライベートな悩みや思い、そして危険な橋を渡るなかで徐々に育まれる二人の友情が主軸とされていました。
グレゴリウス大佐は何故このような行動に出たのか、
ピエールは彼を心配し反対する妻の気持ちを差し置いて、何故グレゴリウス大佐に協力しつづけたのか、
二つの家庭とそれぞれの人物の思いを描きながら、物語は時代を動かす大きな事態へと発展していきます。

決め手となる情報とは、具体的には西側諸国に送り込まれ諜報活動を行っている重要人物たちのリストなのですが、それによって捕まってしまうスパイのなかの一人にダイアン・クルーガーが出ていたのも印象的でした。
セリフもない、ほんの一場面ですが緊迫感がありました。
1981年の出来事だったそうです。
こうして情報の東西パワーバランスが崩れたことが、ゴルバチョフのペレストロイカを推進する大きなきっかけとなったわけです。

東西の冷戦というのはパワーバランスのゲームなのだと思える映画をここ最近何本も観た気がします。
午前十時の映画祭で、この3週間「ライトスタッフ」「2001年宇宙の旅」「ミクロの決死圏」の3本を観ましたが、例えば「ライトスタッフ」はNASAの“マーキュリー計画”に関わった宇宙飛行士たちのドラマで、その“マーキュリー計画”のきっかけはソ連のスプートニクでした。
「2001年宇宙の旅」では核弾頭を積んだ各国の衛星が飛び交う様子で始まるし、「ミクロの決死圏」もミクロ技術の革新的な発明を持って東側から亡命してきた科学者を救おうとする物語です。
そして昨日書いた「ヤギと男と男と壁と」も同じです。
特殊超能力部隊を米軍内で開発しようとするきっかけは、やはり「ソ連でもやっているから」という理由でした。
先日ISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在した日本人宇宙飛行士、野口聡一さんの講演を伺う機会があったのですが、そういえばそのお話のなかでも「ISSの乗組員は夕食は必ず一緒に食べるんですが、朝食は各自で、昼食はアメリカ側、ロシア側2カ所に分かれて食べていました」とおっしゃってました。野口さんご自身は日によって両方でランチをとっていたそうですが、ISS建設が着手された1980年代後半は今思えば、まだまだペレストロイカの真っ最中…というところです。ISSの構造のなかにも東西対立の構図は残されているようです。

話は大きくそれましたが、この「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」を観て思ったのは、これから世界はどう変わっていくんだろう?ということ…。
1980年代初頭、グレゴリウス大佐は自分たちが築いてきた社会を省みて、「せめて息子の世代には、もっと良い社会に…」という思いで、自らの命と引き換えに社会を動かす行動に出ます。
息子の未来を思う父親の気持ちが、実際に世界を動かした…という物語でした。
次の世代に“希望”というバトンを渡そうとする父親たちが、これからどんな行動をとるのか…。
世界はそれによって変わるのかもしれない…と思いながら劇場を後にしました。

最後に…
1980年代という時代のアイコンとして、グレゴリウス大佐の息子さんが憧れる西側文化に「ソニーのウォークマン」「フレディ・マーキュリーのライブ映像」(We Will Rock You♪)が象徴的に使われていたのにも感慨深いものがありました…ということも書き添えておきます。



| 映画 ハ行 | 13:52 | comments(3) | trackbacks(5) |
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コメント
こんばんは。
この前の『ソルト』とはまた違ったスパイ映画みたいですね。

>東西の冷戦というのはパワーバランスのゲームなのだと思える映画
にSFを選んでいるのが興味深かったです!

世界はどう変わっていくのか?を観客の人の問題提起させてくれるこの映画のパワーはすごいですね!
| ゴーダイ | 2010/08/19 5:39 PM |
ゴーダイさん、こんばんは。早速のコメントありがとうございます。

当初は「ソルト」との比較を考えていたのですが、あまりに質感の違う映画なので敢えて触れなかったんです。
実際のスパイ活動のほとんどは、こんな地味〜なやりとりなんだろうと思います。

SFは社会構造の未来を見据えて書かれているものもたくさんあって興味深いです。
「2001年宇宙の旅」も「ミクロの決死圏」も1960年代に製作された作品だと思うと、見ていて感慨深いものがありました。

この「フェアウェル」も時代としては1981年の出来事で30年の時を経て描かれたわけですが、今のこの2010年から30年後…2040年頃にどんな映画が作られているんだろう…なんてことを考えてしまうんです。
| Yukiko T. | 2010/08/19 6:44 PM |
30年後ですか・・・

私は40年後の未来をSFで描きましたが、えらいことなってそうですよね。
がんを予防接種で治す研究とかびっくりします。

将来的にはナノテクとバイテクとITと認識科学が統合されるという説もありますよね。

また、本質的に不可能という部分(量子の不確定性や観察できる宇宙の範囲など)が科学が発展することで出てくるので、意外なところが頭打ちになったり、意外な発想でブレイクスルーが起きたり・・・

やっぱりSF思考は楽しいですよね。こういう話大好きなんです。
| ゴーダイ | 2010/08/19 7:48 PM |
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